EC人材不足への対策、優秀なEC人材を確保する方法

インターネットを介して買い物をすることが当たり前となった現代において、ECサイトの競争は激化しています。各サイトが試行錯誤を重ね、ライバルとの差別化と顧客獲得に向けて努力していますが、同時に浮上している問題が「人材不足」です。

ECサイト運営においては、想像以上に多岐にわたる業務が存在し、それぞれに専門知識が必要です。専任の担当者を配置し、自社ECサイトの課題や修正点を明確にしておかなければ、期待される成果を得ることは難しいでしょう。

現状、EC担当者を配置できるスタッフがいない場合、適任者を新たに見つける必要があります。しかし、現在ではどの企業においてもEC運営を安心して任せられる人材の確保が難しいとされています。この状況は、この記事を読んでいる経営者や担当者の中にも共感される方が多いでしょう。

そこで今回は、EC人材不足への対策や、優秀なEC人材を確保する方法について詳しく解説いたします。

EC人材不足に有効な3つの対策

EC人材不足を解消し、スムーズに自社ECサイトを運営していくためには、以下の3つの方法が有効です。

• 自社でEC人材を採用する
• 社外研修などによって社内人材の育成する
• 外部パートナーを活用する

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

自社でEC人材を採用する

求人を出して、ECサイトに関する知識とスキルを持った人材を採用する方法です。

メリット・デメリット

EC人材を採用するメリットは、既に知識とスキルを持った人材を確保できることです。即戦力になる人材を採用できるため、すぐにECサイト担当者として配置して、業務を任せられるようになります。同時に、人手不足の解消にも繋げられるため、スムーズに良い人材と出会えれば会社全体の生産性や業務効率の向上にも繋げられるでしょう。

EC人材を採用するデメリットは、コストがかかることです。新卒採用でも中途採用でも、一定のコストがかかってしまうため、経済的な負担が大きくなってしまうケースもあります。また、無事に採用できたとしても、すぐに離職されてしまう可能性もあります。先ほども解説したように、EC人材は定着率が低く、離職率が高い傾向にありますので、どのようにして離職を防ぐのかを考えなければなりません。

費用・予算の目安

リクルートの「就職白書2020」によると、2019年度の採用単価は新卒で93.6万円、中途で103.3万円となっています。上記は1人当たりの単価ですので、複数人採用する場合はより高額な費用がかかります。

自社媒体のみで採用活動を行う場合はもう少し費用が安くなりますが、一般的な方法で採用を行う場合、100万円近くの費用がかかりますので慎重に検討しなければなりません。

こんな会社におすすめ

EC人材の採用は、

• 既に人材不足に陥っている企業
• 即戦力となる人材を求めている企業

におすすめです。

既に知識とスキルを持った人材を採用することによって、教育にかかる時間とコストを削減できるようになりますので、スムーズにEC運営を行えるようになります。ただし、未経験者を採用して1から教育する場合、教育コストもかかりますし、EC担当として自社サイトを任せられるようになるまでに時間もかかりますので注意してください。

社外研修などによって社内人材の育成する

「人材不足ではないが、ECに関する知識とスキルを持った人材はいない」という場合は、社外研修などのインハウス化支援を受けて、社内人材を育成する方法もあります。

メリット・デメリット

社内人材を育成するメリットは、採用コストを抑えられることと、中長期的に見るとコストパフォーマンスが良くなることです。育成をする際は、社外研修費などのコストがかかりますが、一度社員に知識とスキルが定着してしまえば、そこからはほとんどコストがかからなくなります。

社内人材を育成するデメリットは、知識とスキルの習得に時間がかかることと、教育コストがかかることです。中長期的な視点を持ち、長い目で見てECに詳しい人材を育てることを目的とする場合は問題ありませんが、即戦力となる人材が欲しい場合、社内人材の育成は向いていないといえるでしょう。

費用・予算の目安

産労総合研究所が行った「2022年度教育研修費用の実態調査」では、2022年の教育研修費用が1人あたり39,682円だったと発表しています。予算額は2022年で1人当たり43,261円ということもあり、大体1人あたり4万円前後の費用がかかるといえるでしょう。

こんな会社におすすめ

社内人材の育成は、

• 自社にノウハウを蓄積したい企業
• 中長期的なコスパを重視したい企業

におすすめです。

教育コストはかかりますが、中長期的に見るとノウハウも蓄積されていきますし、社内人材のスキルアップにも繋がるため、メリットが大きいといえます。

外部パートナーを活用する

EC人材の不足問題をすぐに解消したいという場合は、外部パートナーを活用する方法もあります。EC運営代行サービスを提供している企業やフリーランスを活用することで、人材の採用や教育を行わずにECサイトを運営できるようになります。

メリット・デメリット

外部パートナーを活用するメリットは、迅速にEC運営をスタートさせられることです。既に知識とスキルを持った人材に依頼できるため、採用コストや教育コストがかかりません。また、これまで社内で行っていた業務をプロに任せることで、自社スタッフがコア業務に集中でき、生産性や効率の向上に繋がります。

外部パートナーを活用するデメリットは、費用がかかることです。継続的に依頼する場合はランニングコストが発生するため、費用対効果を考慮する必要があります。さらに、外部パートナーを活用しても必ずしも成果が出るとは限らず、依頼先を間違えると期待している効果を得られない場合もあるため、注意が必要です。

費用・予算の目安

外部パートナーを活用する場合の費用相場は、依頼する業務内容によって異なります。ECサイト運営全体を委託する場合は月額30万円以上、一部を委託する場合は月額5万円〜10万円が相場です。業務内容が増えるにつれて費用も高額になります。

こんな会社におすすめ

外部パートナーの活用は、

• すぐにでもECサイト運営を開始したい企業
• プロからの提案やアドバイスを受けたい企業

におすすめです。

採用や教育とは異なり、信頼できる依頼先を見つければすぐにでもECサイト運営を開始できるため、スピード感を持ってビジネスを展開していきたい企業に最適な方法といえます。

EC人材が不足している理由

冒頭でも解説したように、現在はどの企業もEC運営を任せられる人材の確保に苦戦しています。ここでは、EC人材が全体的に不足している理由について詳しく見ていきましょう。

市場拡大に伴い人員需要が増大

経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」によれば、2019年のBtoCのEC市場規模は13兆2,865億円でしたが、2022年には13兆9,997億円に達しました。前年から7,132億円も増加しており、増加率も5.87％という非常に高い結果となっています。

このように、EC市場は年々成長を続けており、それに伴って人員需要も増加しています。EC人材の不足は、この市場拡大が大きな原因となっているのです。

職種として認知度が低い

ECサイトの需要は年々増加しており、それに伴って求人数も増加しています。しかし、EC市場が急激に成長していることもあり、EC関連職種の認知度はまだそれほど高くありません。わかりやすく言えば、ECサイトの運営や管理などを行う仕事があることを知らない方が多いということです。

今後、ECの需要がさらに増加し、徐々に世間に浸透していけば、自然と認知度も高まっていくことが予想されます。しかし現状では、認知度が低いために人材不足に陥ってしまっているのです。

身につけるスキルや覚えるべき業務が多い

「ECサイト運営」と一口に言っても、業務内容は多岐にわたり、以下のような業務が含まれます。

• サイト制作・運営
• 商品の登録や管理
• 写真・動画撮影
• 梱包や発送
• 顧客管理
• 売上管理

これらはほんの一部であり、この記事で全てを挙げるのは難しいほど多くの業務があります。そして、これらの業務に対応するためには、多岐にわたるスキルが求められます。

特に少人数で運営している場合、一人当たりの業務量が増えるため、これらを任せるためには様々な知識とスキルを身につけた人材を探す必要があります。しかし、EC市場は近年急成長を遂げており、EC運営に関する業務全般の知識やスキルを兼ね備えた人材は依然として少ない状況です。

このような背景から、求める人材をなかなか見つけられない企業が増えているのです。

定着率が低い、離職率が高い

今紹介したように、ECサイト運営においては業務量が非常に多く、習得すべきスキルや知識も多岐にわたります。このような状況から、一度EC関連の仕事に就いたとしても、理想と現実のギャップに耐え切れずに離職してしまう方が多くいます。

さらに、近年ではEC人材の不足に伴い「売り手市場」となっており、好条件の求人を簡単に見つけることができます。このため、自社の待遇や環境が整っていない場合には、すぐに転職されてしまうリスクがあります。

EC運営スキルのある人材が転職市場に現れにくい

現状、ECサイト運営に関する知識とスキルを持っている人材は非常に貴重です。そのため、転職市場においても見つけるのが非常に難しくなっています。

また、ECサイトと一口に言っても、使用しているシステムやプラットフォームは企業によって異なります。そのため、自社が使用しているシステムやプラットフォームに関する知識とスキルを持った人材を見つけるのは困難です。

例えば、Amazonに関する知識とスキルを持っているからといって、楽天でも同じようなパフォーマンスを発揮できるかというと、必ずしもそうではありません。

たとえECに関する知識とスキルを持っていたとしても、転職をした場合には新たな知識とスキルを身につけなければならないため、そもそも「転職をしよう」と考える人材が少ないのです。

ECに適した人材の特徴

EC人材を確保したいと考えている経営者や担当者の中には、「何を基準に採用すればいいのかわからない」と悩んでいる方も多くいらっしゃるでしょう。

そのような方は、以下の特徴を参考にしながら採用する人材を絞り込んでみてください。

ユーザー目線をもてる人

ECサイトで売上を上げるためには、ユーザーの興味や購買意欲を掻き立てることが重要です。そのためには、ユーザーが何を考え、どのようなきっかけで商品購入に至るのかという「顧客心理」を理解し、それをECサイトに反映させる必要があります。このような理由から、ユーザー目線を持てる人はECに適した人材といえます。

ユーザー目線を持つことは簡単そうに見えて、実は意外と難しいです。自分ではユーザー目線を持っているつもりでも、売上や利益、効率などを意識するあまり、ユーザーの心に刺さる施策を行えなくなってしまうケースもあります。

そのため、ユーザー目線を持てる人は、ECサイトだけでなく会社全体においても非常に貴重な人材といえます。

トレンドに敏感な人

ECサイトはトレンドに大きく左右されます。多くのユーザーから認知され、商品を購入してもらうためには、トレンドに沿った施策を行ったり、トレンドを上手に取り入れたりすることが重要です。このような理由から、トレンドに敏感な方はECに適した人材といえます。

こう聞くと、年齢が若い人材をイメージする方も多いかもしれませんが、必ずしも年齢が若くなければならないというわけではありません。重要なのは「トレンドに敏感かどうか」です。ある程度年齢を重ねていたとしても、時代の変化やトレンドに敏感な方であれば、自社のECサイトを良い方向に導いてくれるでしょう。

Web上でのコミュニケーション能力がある人

ECサイト運営は1人では行えず、基本的には複数のメンバーで行うことになります。それがすべて社内のスタッフとは限らず、場合によっては外部のスタッフと連携して業務を進めることもあります。この時に重要なのが、コミュニケーションスキルです。特に、Web上でのコミュニケーションスキルが大切になってきます。

というのも、メンバーと必ずしも対面でコミュニケーションを取れるわけではなく、場合によってはチャットやオンライン会議などを使ってコミュニケーションを取ることもあるからです。Web上でのコミュニケーション能力が低い場合、相手の言っていることを理解できなかったり、自分の意見を上手に伝えられなかったりするため、円滑に業務を遂行できなくなってしまいます。

行動力・実践力のある人

ECサイト運営には、ノウハウやセオリーが存在していますが、絶対的な正解はありません。扱っている商品やその時々の状況によって、行うべき施策は大きく変わります。ここで重要なのが、行動力や実践力です。企画力に優れていても、それを行動や実践に落とし込めなければ効果測定ができません。効果測定ができなければ、効率的にPDCAを回すことが難しくなり、ECサイトのクオリティを高めにくくなってしまうのです。

このような理由から、失敗を恐れずに果敢に挑戦できる人は、EC人材として非常に適しているといえます。

ECサイト運営やWebデザインに興味がある人

ECサイト運営やWebデザインに興味があるかどうかも、適した人材かどうかを判断する重要な指標となります。先ほども解説したように、ECサイトの運営には多くの業務が必要ですので、興味や関心がある方でないと意欲的あるいは自発的に行動できなくなってしまいます。

また、ECサイトのクオリティを高めるためには、以下の要素を工夫しなければなりません。

• 商品画像
• サイトUI・導線
• ロゴ・バナー

これにはWebデザインの知識とスキルが必要です。

自社に適した人材を探す過程で、上記の条件に当てはまる人材がいた場合、その人材を逃してはいけません。

コツコツと積み重ねていく作業を好む人

ECサイト運営は、地道な作業の連続です。華やかなイメージを持ってEC業界に飛び込んでくる方もいますが、このような方は大抵すぐに離職してしまいます。長く働いてくれる優秀な人材を見つけるためには、コツコツと積み重ねていく作業を好む人材を探さなければなりません。

誰も見ていないところでコツコツ努力できるような人は、EC人材としても高いパフォーマンスを発揮してくれますし、自社の士気も高めてくれるはずです。

データ分析や解析が得意な人

ECサイトは、感覚に頼って運営してもうまくいきません。過去のデータを活用し、分析や解析を行って、その結果をもとに戦略を練っていく必要があります。このような理由から、データ分析や解析が得意な方も、ECに適した人材といえるでしょう。

EC人材に求められるスキル

では次に、EC人材に求められるスキルについて詳しく解説していきます。

ITツールへの理解

ECサイトの運営には、ITツールの活用が必須です。運営管理ツールはもちろんのこと、

• チャットツール
• BIツール
• タスク管理ツール
• マーケティング支援ツール
• オフィスソフト
• サイト構築ツール

なども必要になってきます。

上記ツールへの理解がなければ、円滑に業務を遂行できません。また、各ITツールは頻繁にアップデートされ、その都度新機能が搭載されたり、使い方が変わったりするため、このような変化に対応していけるスキルも重要です。

ITツールに関する知識やスキルは、毎日触れていれば自然と身につきます。ただ、ある程度時間がかかってしまうため、即戦力となる人材を見つけたい場合は、既にITツールへの理解がある人材に絞って探すのがおすすめです。

ECプラットフォームの運用スキル

ECサイトには、モール型と自社運営型があります。近年では、自社で独自のECサイトを構築して運営する自社運営型も注目されていますが、

• Amazon
• 楽天市場
• Yahoo!ショッピング

などのモール型のECサイトも根強い人気を誇っています。

モール型のECサイトを運営していく場合は、各プラットフォームに関するスキルも必要です。それぞれのモールで操作方法も違えば、連絡の方法や規約も異なります。各モールの特徴を理解した上で、的確かつ論理的な戦略を立てられる人材は、優秀なEC担当者といえるでしょう。

ECサイト制作・運営スキル

ECサイト運営においては、

• 在庫管理
• 注文管理
• 梱包
• 発送作業
• 商品撮影

など、様々な作業が発生します。これらの作業が1つでも欠けると、ECサイト運営全体に影響が出てしまいます。そのため、必要な作業を正しく把握し、1つずつ確実にこなしていく「運営スキル」が必要です。

また、自社でECサイトを制作する場合は、

• HTML
• CSS
• JS

などの知識も重要になってきます。

デザインスキル

ECサイトは、デザイン性や操作性が非常に重要です。どれだけ魅力的な商品を扱っていても、デザイン性や操作性が低いとユーザーは離脱してしまいます。ユーザーに長く滞在してもらい、快適に利用してもらうためには、デザインスキルが重要です。具体的には、

• UI/UXデザインスキル
• バナー制作スキル
• キャンペーンデザインスキル
• ロゴデザインスキル
• 同梱物、販促物などのデザインスキル

これらのスキルがあると、ECサイトのクオリティを維持、向上させやすくなります。

Webマーケティング全般に関するスキル

ECサイトにはマーケティングのスキルが必要です。こう聞くと、単純にサイトへの集客数を伸ばすための知識やスキルを想像する方もいるかもしれませんが、ECサイト運営においてはマーケティング全般の知識が必須となります。SEOや広告、SNSのスキルだけでなく、

• コピーライティング
• データ分析
• サイト改善

など、様々な知識とスキルがなければ、ECサイトのクオリティ向上や売上アップには繋げられません。

商品企画のスキル

ECサイトのクオリティが高くても、商品のクオリティが低ければユーザーは離れていきます。つまり、EC運営に携わる場合は、ユーザーに心から欲しい、あるいは買いたいと思ってもらえるような商品を生み出すためのスキルも必要になります。

商品企画のスキルは、ECサイトに限らず、全体の売上に関わる重要な要素です。したがって、魅力的な商品を生み出せるスキルを持っていれば、EC界隈で活躍できることは間違いありません。

分析・改善スキル

先ほども解説したように、ECサイトは直感や感覚に頼って運営しても成果に繋がりません。効率的に運営していくためには、PDCAを回す必要があり、そのためには分析や改善スキルが重要です。分析や改善スキルがあれば、自社の課題を見つけやすくなるとともに、ライバルとの差別化なども行いやすくなるため、自社ECサイトの認知向上や売上アップに繋げやすくなります。

セキュリティに関する理解

ECサイト運営において最も気を付けなければならないのが、情報漏洩をはじめとするセキュリティトラブルです。顧客の情報を扱うからこそ、運営者はセキュリティに関する知識と理解を深めておかなければなりません。

また、アカウント情報やクレジットカード情報の漏洩にも注意が必要ですが、自社サイトへのサイバー攻撃にも気を付けなければなりません。基本的な知識だけでなく、セキュリティ対策を怠るとどのような弊害が起こるのか、どのように対策をしていけばいいのかを理解しておくことが大切です。

コミュニケーションスキル

ECサイト運営では、顧客や取引先などとのコミュニケーションが必ず必要になります。商品や操作方法に関する問い合わせへの対応やアフターフォロー、時にはクレーム対応が必要になることもあるでしょう。また、外部パートナーと提携している場合は担当者との打ち合わせ、仕入先との交渉、他部門との調整なども必要になります。

このようなコミュニケーションを円滑に進めるためには、理解力や説明力が求められます。場合によってはチャットを通してのコミュニケーションになることもありますので、相手の言いたいことを理解する力や、自分の意見や考えを正確に伝える力を身につけなければなりません。

チーム連携に必要なマネジメントスキル

ECサイト運営に限った話ではありませんが、事業を円滑に進めるためには、チーム連携や事業の遂行に必要なマネジメントスキルの有無が重要です。特に責任者は、チームメンバーの進捗を確認したり、指示出しを行ったりするため、全体を俯瞰できるスキルが必須です。

マネジメントスキルがあれば、ECサイトの状況や今後の展望を含めた施策を考えられるようになり、事業全体の売上を向上させやすくなります。

情報収集スキル

EC市場は急成長を遂げており、情報の移り変わりも非常に速いです。情報の移り変わりについていけないということは、それすなわち衰退を意味します。ECサイトのクオリティを維持しつつ、売上の維持や向上に繋げるためには、様々な角度からの情報収集が必要です。常にアンテナを張り、様々な情報を集め、それを自社ECサイトに応用するスキルがある方は、EC人材としての適性があるといえます。

外部パートナーを活用する際の注意点

迅速にECサイト運営を行いたい企業には、外部パートナーの活用がおすすめですが、いくつか注意しなければならないポイントもあります。以下、代表的な注意点について詳しく見ていきましょう。

継続的に依頼できるか

EC運営代行サービスを提供している企業やフリーランスの中には、業務全般に対応しているところもあれば、一部にしか対応していないところもあります。よくあるのが、

• サイト構築まで
• 特定のプラットフォームのみ対応

というようなケースです。

一部の業務にしか対応していない場合、次のフェーズに進みたいときや、別業務を依頼したいときに依頼先を変更しなければならず、自社の負担が増えてしまいます。引継ぎも必要ですし、再度自社の状況を説明しなければならないため、長期的にサポートを受けたい場合は、ECサイト運営に関する業務全般に対応している会社を探すのがおすすめです。

経験や実績が豊富か

ECサイト運営には、専門的な知識とスキルが必要です。自社ECサイトのクオリティを向上させ、売上アップに繋げるためには、経験や実績豊富な会社、あるいはフリーランスに依頼することが大切です。経験が浅く実績が少ないところに依頼してしまうと、イメージ通りの成果に繋がらず、ただ予算を無駄遣いすることになってしまいますので注意してください。

経験や実績については、HPでも確認できますし、事前面談でも確認できます。自社に合った優秀な会社、あるいはフリーランスを見つけるためにも、複数社の実績や経験を比較しながら依頼先を検討していきましょう。

業務範囲が自社に適しているか

先ほども解説したように、ECサイト運営を外部に委託する場合は、委託先の会社あるいはフリーランスが自社の目的や課題にマッチしているかどうかを確認しておきましょう。ECサイト運営には様々な業務が必要であり、依頼したい業務範囲を明確にしておかないと、自社のニーズにマッチする依頼先を見つけられなくなります。

ECサイトの需要が伸びている昨今において、EC関連のサービスを提供している会社も増えていますが、それぞれが独自の「強み」や「特徴」を持っています。したがって、

• どんな悩みを解決したいのか
• どのような成果を上げたいのか

を明確にした上で依頼先を絞り込んでみてください。

予算がマッチしているか

ECサイトの運営を外部に委託する場合、予算についてもしっかりと検討しておかなければなりません。EC人材を採用する場合や社内で育成する場合、初期コストはかかりますが、一度採用もしくは教育を行ってしまえば、ほとんどコストがかからなくなります。

しかし、外部パートナーに委託する場合、数万円〜数十万円単位の費用が毎月発生するため、無理のない範囲で予算を組んでおく必要があります。

全国には、ECサイト運営に関するサービスを提供している会社が多数ありますが、それぞれで特徴や料金が大きく異なります。対応範囲が同じであっても、会社によって料金が変わるため、予算とマッチする会社を慎重に探しましょう。

+αの提案があるか

外部パートナーを見つけるときの判断基準になるのが、+αの提案があるかどうかです。プロ目線での提案やアドバイスを受けられることが、外部パートナーを活用するメリットの一つであり、提案が欠けてしまうと外部パートナーに高額な費用を支払って依頼する意味が薄れてしまいます。

しかし、中には一切提案を行わず、こちらが伝えたことだけをこなす「御用聞き」のような会社もあります。

ECサイト運営に関する知見やノウハウがある場合は問題ありませんが、そうでない場合は+αの提案を積極的に行ってくれる依頼先を探していきましょう。

まとめ：EC人材不足への対策は外部パートナーの活用も視野に

EC市場が成長を遂げている昨今、EC人材不足が問題視されています。近年では、どの企業もEC人材の確保に苦戦しており、人手不足の中で何とか運営している企業がほとんどです。

EC人材の不足問題を解決する方法はたくさんありますが、それぞれにメリット、デメリットがあり、コストも変わってきますので、自社に合った方法を慎重に探していかなければなりません。

新規で採用を行う方法や、既存社員に対して教育をするという方法もありますが、これらの方法には即効性がなく、自社ECサイトを任せられるようになるまでにある程度時間がかかります。

今すぐに人材不足を解消し、スムーズにECサイト運営を行いたいという場合は、外部パートナーの活用も視野に入れるのがおすすめです。ただし、外部パートナーと一口にいっても様々な依頼先があり、それぞれで対応範囲や料金が異なりますので、自社の目的や予算に合った依頼先を慎重に探していきましょう。

よくある質問と回答