- 開封率やクリック率を高めるメルマガの作り方
- パーソナライズされたメルマガの配信方法と成功事例
- メルマガを通じてリピーターを増やす戦略と注意点

メルマガは、比較的低コストで多くのユーザーにアプローチできるため、ECサイトにおいて重要なツールです。
メルマガを活用すると、顧客との接点を維持して関係性を構築したり、長期的にみたときの顧客1人あたりの売上を伸ばしたりする効果があります。また、他のマーケティング施策と組み合わせることで、さらなる成果を出すことも可能です。
本記事では、メルマガがECサイトで重要な理由や効果的なメルマガの作り方、最新トレンド、メルマガの抱える課題と解決策などを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
メルマガがECサイトで重要な理由
メルマガがECサイトの運営において重要だと言われている理由は、主に以下の3つです。
- 顧客との接点を維持するコミュニケーションツールとして
- LTV向上の鍵としてのメルマガ
- 他のマーケティング施策との相乗効果
次項から、各項目の詳細を解説します。
顧客との接点を維持するコミュニケーションツールとして
メルマガを購読してもらうと購入後も顧客との接点を維持できるため、関係性を構築していく手段として活用できます。
例えば、新商品の情報を提供したり、キャンペーンを始める際に告知したりなど、リピート購入を促すための宣伝が可能です。
また、メルマガを読んでいる人限定のキャンペーンをするとより関係性を構築でき、メルマガの効果を伸ばせます。
LTV向上の鍵としてのメルマガ
メルマガを通じて商品の情報や特典の提供を続けることで、顧客のLTV(初めて取引をしてから最後の取引が終わるまでに得られる総額)の向上も見込めます。
LTVを向上させるには長期的にリピート購入をし続けてもらうことが大切です。そのため、自社商品やブランドの宣伝を企業側から発信し続けられるメルマガは有効な手段といえます。
また、メルマガを通じて顧客との関係性を構築していくことで自社への関心を高められれば、自社商品やブランドへの購入意欲も高められます。結果として自社商品やブランドへのファン化ができ、LTVの向上にもつながるでしょう。
他のマーケティング施策との相乗効果
メルマガは、広告やSNSなどの他のマーケティング施策と連携すると相乗効果によりマーケティングの効果も高められます。
例えば、拡散力があるSNSで新規フォロワーを集めたのちメルマガに登録させることで、効率良くメルマガにユーザーを集められます。
また、特定のニーズに特化した専用のランディングページを作るLP戦略と組み合わせて、メルマガ読者のニーズに合わせたLPへメルマガから誘導する戦略も効果的です。
効果的なメルマガの作り方
効果的なメルマガを作るには、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 開封率を高めるタイトルとデザイン
- パーソナライズされた内容の重要性
- セグメント別のターゲティング施策
次項から、各項目の詳細を解説します。
開封率を高めるタイトルとデザイン
メルマガで成果を出すには、メールの開封率を高めるタイトルを付けることがポイントです。タイトルの中に限定性をアピールする文言を入れたり、質問形式にしたりして、つい開きたくなるようなタイトルを付けましょう。
また、開いてすぐ読まずに閉じてしまわれないように、デザインにも気を配りましょう。文字だけが並んでいると読まずに閉じてしまうユーザーも少なくないので、要所にアイキャッチとなる画像を入れて画像とテキストのバランスをとることが大切です。
パーソナライズされた内容の重要性
効果的なメルマガにするには、顧客に合わせて内容をパーソナライズ(属性や行動データから最適な商品を提案する手法)することが大切です。
例えば、購入履歴や閲覧履歴のデータから興味のありそうな商品を選び「あなたへのおすすめ」や「関連商品」として紹介する手法が多く使われています。また、過去に何度も購入している商品のセール情報をメルマガでして開封させ、新商品の説明につなげるなどの工夫も効果的です。
セグメント別のターゲティング施策
メルマガでは、顧客の年齢や性別、地域、購入履歴の傾向、最後に購入をした日からの日数などでセグメント分けして内容を最適化する「セグメント別のターゲティング施策」も有効です。
個人へのパーソナライズほど細かく絞り込まないため、あまり手間をかけずに開封率やECのサイトへの訪問率、購入率を向上させられるというメリットがあります。
メルマガの最新トレンドとECでの応用
メルマガにもトレンドがあり、常に変化し続けています。本項目では、2024年冬時点での最新トレンドを3つ紹介しますので、参考にしてください。
- リッチメディアの活用
- AIを活用した配信時間の最適化
- 行動履歴に基づいた動的コンテンツの導入
リッチメディアの活用
メルマガの最新トレンドとして、画像など視覚的な要素を取り入れることで、ユーザーの興味を引きつけ、情報伝達の効率を高める手法が注目を集めています。
特にECサイトでは、新商品の魅力を伝える画像が効果的です。
リッチメディアを効果的に活用するには、メール内の読み込み速度や、スマートフォンでの表示最適化にも配慮する必要があります。これにより、ユーザー体験を損なわず、コンバージョン率の向上につなげることができます。
AIを活用した配信時間の最適化
メルマガでは、配信する時間も重要です。メルマガを送っても開封してもらえなければ効果がありません。そのため、過去の測定データからAIを活用して顧客が最もメールを開封しやすい時間を分析し、その時間に送信する施策がトレンドになっています。
また、開封したかどうかだけでなく、購入までつながったかどうかを軸に分析することもポイントです。例えば「メルマガを読むことはできるものの、ECのサイトで購入するまでの時間はない」といった成果につながりにくいタイミングで送ってしまうリスクを減らせます。
行動履歴に基づいた動的コンテンツの導入
メルマガを運用していくうえで、顧客の行動履歴をもとにリアルタイムで内容を変えていく動的コンテンツの活用が必要不可欠です。
例えば、カートに入れたまま購入していない商品に対してリマインドメールを送ったり、いつも購入している商品が再入荷した際に通知メールを送ったりする施策があります。
これらの動的コンテンツを活用してユーザーにとっての利便性を高めることで、顧客の満足を上げつつ行動を促せるため、売上の増加にもつながるでしょう。
メルマガで新規顧客を獲得する方法
メルマガで新規顧客を獲得するには、これまでアプローチできていなかった層にアプローチし登録させなければいけません。本項目では、その方法の中から3つ紹介しますので参考にしてください。
- サンプルやクーポン配布とメルマガ登録の連動
- ランディングページでの登録率を高める工夫
- SNS広告を活用した登録者の増加施策
サンプルやクーポン配布とメルマガ登録の連動
メルマガで新規顧客を獲得するには、メルマガに登録するとサンプルやクーポンがもらえるキャンペーンが効果的です。
新規顧客を獲得したい場合は、1週間程度の短い有効期限にすることがポイントです。リピーターと違い、メルマガを読み終わってしまったらクーポンのことも忘れられてしまう可能性も低くありません。「すぐに行動しないといけない」と思わせるために期限を少し早めに設定しましょう。
限定性や希少性をアピールしつつ行動を促すために「先着100名」などの文言を入れておくと効果的です。
ランディングページでの登録率を高める工夫
ECサイトの販売ページのほかに、メルマガの登録を誘導するための専用ページを設置するとメルマガの登録者を増やせます。
メルマガ登録専用のランディングページを作る際は、メルマガに登録するメリットだけでなくベネフィット(得られる恩恵)まで説明することがポイントです。特典内容は、ひと目で理解できるように目立つ場所に分かりやすく記載してください。
また、メルマガの登録中に離脱されてしまわないように、登録フォームをできるだけ簡単にすることも大切です。
SNS広告を活用した登録者の増加施策
SNS広告を活用することでも、メルマガの登録者を増やせます。特に拡散性はSNSの大きな魅力で、うまく拡散されれば低コストで数十万、数百万人の目に触れることもあります。
ただし、SNSアカウントで投稿をしているだけではあまり新規顧客にアプローチできません。Facebook広告やInstagramキャンペーンなどのSNSの運営会社が用意している広告サービスを利用してメルマガへの登録を促しましょう。
SNSのフォローに比べてメルマガへの登録は心理的なハードルが高いため、特典を付けるなどの施策も合わせて行うことがポイントです。
メルマガのデザインとUXの最適化
メルマガを読んでもらうためには、デザインやUX(ユーザーがサービス全体を通して受ける体験)を最適化することが大切です。UXには、商品を購入するまでの体験や商品を知る過程も含まれます。
デザインやUXを設計する際は、主に以下の3つの点を意識すると良いでしょう。
- モバイルファーストのデザイン作成ポイント
- 読みやすいフォーマットと視覚的な工夫
- CTAボタンの配置と最適化
モバイルファーストのデザイン作成ポイント
メルマガを作成する際は、スマートフォンで表示することを前提としてレイアウトやデザインを設計することが大切です。
総務省の統計では、個人のインターネット利用はスマートフォンが70%を超え、パソコンでの利用を大きく上回っています。そのため、スマートフォンに合わせたデザインは必須と言えるでしょう。
参考:総務省
文章や画像のレイアウトをスマートフォンでも見やすく配置するだけでなく、指で操作することを前提にしたデザインをすることもポイントです。リンクよりも指でタップしやすいCTAボタンを配置したり、誤操作をしないようにリンクやボタンの間を話したりするなどの工夫をしましょう。
読みやすいフォーマットと視覚的な工夫
メルマガを送る場合は、読みやすさを重視することが大切です。
段落はできるだけ短くし、漢字も常用漢字表などを参考に難しい漢字はできるだけ使わないように工夫しましょう。段落の間に空白行をいれると、視覚的にメリハリが付くのでおすすめです。
また、一文が長くならないように箇条書きを入れたり、文章に飽きさせないために画像やイラスト、図解を差し込んだりすることもポイントです。
CTAボタンの配置と最適化
メルマガで成果を出すためには、ユーザーに行動を促すCTAボタンの色や文言を工夫することもポイントです。
特にCTAボタンはボタンであることをユーザーに認識してもらえないと押してもらえないので、目立つ色にしましょう。
CTAボタンの位置は、ユーザーにもっとも興味を持ってもらえる場所の近くにしつつ、違和感がない場所に配置することがポイントです。メルマガを開いたときに最初に見える1画面内に1つ設置し、関心の集まる場所に設置していく配置が効果的です。
メルマガ活用での運用例
メルマガを活用する際は、効果があるメールマーケティング施策運用例を学ぶことで、失敗のリスクを減らすことができます。
本項目では、3つほど紹介しますので、参考にしてください。
- 新商品の告知での売上効果
- リピート購入促進キャンペーン
- セールや限定オファーの配信
次項から、各事例について紹介していきます。
新商品の告知での売上効果
新商品はまず存在を知ってもらわないと販売数が伸びません。そのため、メルマガを通じてより多くの人に新商品を告知して知ってもらうことが大切です。
また、単に新商品を紹介するだけでなく、トレンド商品や売れ筋商品を紹介するコンテンツと合わせて新商品の告知をすることで新商品に興味のないユーザーにアプローチをし、新商品の売上につなげた事例もあります。
リピート購入促進キャンペーン
メルマガでリピート購入を促すには、特典付きのメルマガやクーポン付きのメルマガを配信する施策が効果的です。
例えば、リピート購入の促進と顧客関係の構築を目的にメールマガジンを運用し、反応率をあげてリピート購入につなげるといった運用例があります。
また、効果測定の結果をもとにCTAボタンの色を変更し、開いたときに見える最初の画面にボタンが見えるように工夫をして、伝えたい内容がひと目で分かるような工夫も効果的です。
セールや限定オファーの配信
メルマガは、限定セールや期間限定オファーの配信とも相性が良いマーケティングツールです。
メルマガを読んでくれているユーザー限定のセールをしたり、期間限定のオファーを告知することでECサイトの利用を促し、購入率を向上させることができます。
また、複数パターンのメールを作成して、ランダムにグループ分けされたユーザーに送った際の反応を計測するA/Bテストを導入することも効果的です。その結果として、長期的に限定オファーの成果を伸ばし続けることができます。
メルマガ運用での課題と解決策
メルマガを運用する際には、さまざまな課題があります。その中でも特に重要な課題は、以下の3つです。
- 配信頻度と読者の関係
- メルマガ解除を防ぐフォローアップ方法
- 効果測定とデータを活用した改善
次項から、各項目の詳細と解決策を解説します。
配信頻度と読者の関係
メルマガを運用する際の課題として、メルマガの配信頻度が高すぎると読者に読まれなくなったり、登録を解除されてしまったりするリスクが挙げられます。したがって、メルマガを過剰に送りすぎないように注意する必要があります。
ただし、メルマガの最適な配信頻度はターゲットとなる顧客の属性や扱っている商品・サービスの種類によっても大きく変わります。そのため、メールの開封率やメルマガからECサイトへ訪問した数などを計測して、自社のメルマガが抱えている顧客に対して最適な配信頻度にすることが大切です。
メルマガ解除を防ぐフォローアップ方法
メルマガ登録の解除を防ぐためには、読者に対して定期的にアンケートを実施して内容を改善していくことがポイントです。また、仮に解除されてしまった場合でもアンケートで解除理由を調査して、メルマガの改善に活用すると今後の登録解除を防げます。
また、解除をされてしまった場合でも再登録をした人に特典を与える再登録キャンペーンをして、再度メルマガの会員になってもらう施策も効果的です。
効果測定とデータを活用した改善
メルマガは、扱う商品・サービスやターゲット層によって有効な施策が大きく変わります。そのため、自社のメルマガが抱えている読者に合わせてメルマガを改善していくことが大切です。
開封率やクリック率、コンバージョン率などを測定して分析し、それをもとにメルガマ施策の改善策を立案し、実行しましょう。また、ユーザーの好みはそのときのトレンドによっても変化してしまうため、定期的な見直しと改善を続けることがポイントです。
まとめ:メルマガを活用してEC事業を成長させる方法
メルマガは、顧客との関係性を構築するために有効で、LTVの向上にも大きく貢献します。また、他のマーケティング施策と組み合わせてさらなる効果を上げることもできるでしょう。
メルマガを作成する際は、セグメントで分けたり個人にパーソナライズしたりしつつ、読んでもらえるようなタイトルとコンテンツを作ることが大切です。
本記事で紹介した効果的なメルマガの作り方や最新トレンド、メルマガによる新規顧客の獲得方法などを参考にメルマガを活用して、売上の拡大や顧客満足度の向上を目指しましょう。