- AmazonでできるSEO対策の基礎知識
- Amazonでできる具体的なSEO対策
- SEO対策の失敗事例とその対策
Amazonで商品を販売する際にはSEO対策が重要です。Googleなどの検索エンジン向けのSEOとは異なり、Amazon SEOではAmazon内の検索エンジンに向けたSEO手法が必要になります。
本記事では、Amazon SEOの基本的な仕組みと重要性を解説したうえで、具体的なSEO対策やよくある失敗例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
商品ページの最適化や適切なキーワード選定、レビューの活用などAmazonのSEOに必要な知識を学び、Amazonでの売上を伸ばしましょう。
目次
AmazonでできるSEO対策の基礎知識
初めに、AmazonでできるSEO対策の基礎知識を「Amazon SEOの仕組み」と「AmazonでSEOが重要な理由」に分けて解説します。
Amazon SEOの仕組み
Amazon SEOとは、Amazonのモール内で検索をした際に自社商品が優先的に表示されるようにする手法や対策のことです。適切にAmazon SEOを行うことで、ユーザーが検索したときに見つけてもらいやすくなるため、売上の向上につながります。
一般的にSEOと呼ばれているGoogleのSEOは、Webサイト全体を検索するGoogleの検索エンジンに合わせた対策をします。一方、Amazon SEOは、Amazonのモール内を検索するための検索エンジンへ最適化する対策です。そのため、検索順位を決める仕組みも違います。
検索結果の順位を決める仕組みは公開されていませんが、主に以下の要素が関係しています。
- 検索キーワードと商品の関連性
- 商品の販売数
- 商品タイトル・商品説明文
- コンバージョン率
- 商品価格
- 在庫数
- 商品レビュー・ショップレビュー
- 商品画像
検索キーワードとして設定したものだけでなく、商品タイトルや説明文も含まれています。
これらの内容を参照して検索結果の表示順を決めるAmazon独自のアルゴリズム（目的を解決するための手順や計算方法）をA10と呼びます。以前はA9と呼ばれていましたが、アップデートされ、現在ではA10が使われています。
また、レビューの数やコンバージョン率も考慮されていることも重要なポイントです。レビュー数が多かったり、コンバージョン率が高ければ、AmazonのアルゴリズムであるA10に「良い商品」と認識されやすくなります。
そのため、AmazonのSEO対策では様々な観点から検索エンジンに最適化することが求められます。
AmazonでSEOが重要な理由
AmazonでSEO対策を全くしていないと、競合となっている商品が先に表示されてしまい、自社商品がユーザーの目に入りにくくなってしまいます。結果として機会損失が発生してしまうでしょう。
また、表示順位が低いと購買意欲の低いユーザーの割合が多くなってしまうことがあります。なぜなら、購買意欲の高いユーザーは検索結果の上から順に閲覧して商品を購入し、離脱してしまうケースがあるからです。
Amazon SEOの具体的な対策
Amazonで有効なSEO対策は、主に以下の5つです。
- 商品ページに記載するキーワードを最適化する
- 商品タイトルを最適化する
- 画像と動画の最適化
- 商品説明と箇条書きの最適化
- レビューや評価を集める
次項から詳細を解説します。
商品ページに記載するキーワードを最適化する
まず1つ目は、商品ページに記載しているキーワードをユーザーが検索するキーワードに合わせることです。なぜなら、販売者が想定しているキーワードと実際に検索されているキーワードが一致しているとは限らないからです。
最適化するためのキーワードを見つけるには、Amazonのオートコンプリート（サジェスト）機能を利用します。Amazonの検索窓にメインとなるキーワードを入力すると、関連性の高いキーワードが自動的に表示されます。表示されたキーワードを分析して、有効そうなものを商品ページに記載しましょう。
また、Amazonのレポートを活用してキーワードを分析する方法もあります。CVR（商品ページを見たユーザーのうち購入に至ったユーザーの割合）などを参考にしてユーザーの反応が良い商品ページを見つけて、どのキーワードが有効だったかを分析しましょう。
そのほかには、競合となっている商品のうち自社商品よりも上位表示されている商品のページを分析して、検索エンジンに評価されているキーワードを推測する方法も有効です。
商品タイトルを最適化する
商品タイトルもAmazon SEOで大事な要素の1つです。商品タイトルへ不自然にならない程度にユーザーが検索するキーワードを入れましょう。
ただし、Amazonの公式ガイドラインによると「世界一」「最安」などの最上級を示す文言や「完全」「期間限定」「最新」などの断定的な文言、優位性を示す文言は使用が禁止されているので注意しましょう。
60文字から80文字程度で「メーカー名/ブランド名＋メインキーワード＋特徴＋サイズ/容量＋型番」の形にすると効果的です。
商品タイトルにキーワードを詰め込みすぎて100文字を超えてしまったり、使用できない記号を使ってしまったりしないように注意しましょう。
例えば、以下のような文字が禁止されています。
使えない文字の例：✩$！？①㈱㈲㍍㌕
ただし、商品名やブランド名に！や？などの禁止文字が含まれている場合は必要な部分に限り使用可能です。
また、キーワードを不自然に詰め込んでしまうとユーザーに不信感を与えてしまう恐れがあるので、自然に見えるように工夫することが大切です。
画像と動画の最適化
Amazonの商品ページに挿入されている画像や動画を見やすくすることもSEO対策として効果的です。なぜなら、商品ページを開いたユーザーの離脱率を下げたり購入率を上げたりできれば、Amazonの検索エンジンからの評価も改善されて検索順位にも良い影響があるからです。
画像を最適化するには、商品が見やすいようにシンプルにしつつ、ズームをしても画像が荒くならない1600px以上の画像にすると良いでしょう。また、商品を実際に使用している写真を追加して、商品の使用シーンや特徴を視覚的に伝えることもポイントです。
また、動画を載せる場合は、冒頭から視聴者の目を引くような構成にする必要があります。商品の使用シーンやベネフィット（商品を購入して使うことで受けられる恩恵）など、画像や文字では説明が難しい内容を視覚的に伝える動画にすると効果的です。
商品説明に書いてあることを淡々と説明する動画を載せてもすぐに離脱されてしまいやすいので注意しましょう。
商品説明と箇条書きの最適化
商品説明は、最初の1行目と2行目に訴求ポイントや重要な内容を記載しましょう。
Amazonを利用するユーザーは、スマートフォンなどのモバイル端末で見ている人も少なくありません。そのため、開いたときにスクロールせずに見られる文章（ファーストビュー）も限られてしまいます。重要なポイントを最初に記載することで、見逃されてしまうリスクを減らせます。
また、長い文章を見ると読むのをためらってしまうユーザーも少なくないので、箇条書きを使って簡潔に表現することもポイントです。「軽量」や「持ち運びしやすい」など、商品のメリットやベネフィットを箇条書きで記載して、必要があれば後から説明する形にすると良いでしょう。
レビューや評価を集める
レビュー数や評価数が増えると、Amazonの検索エンジンに良い影響があると言われています。なぜなら、レビューや良い評価が多い商品は良い商品だと機会的に判断しやすいため、それらを上位表示すればユーザーにとって利便性が良い検索結果になると考えられるからです。
また、Amazonには評価やレビュー数を基準にして検索結果を並び替える機能があるため、並び替えた際に上位表示されるというメリットもあります。
ただし、Amazonでは良いレビューを依頼することや関係者がレビューをすることは規約で禁止されています。Amazonが提供しているレビューリクエスト機能やサンクスメールを送る機能を活用してレビュー依頼をしましょう。
また、Amazonが提供しているAmazon Vine先取りプログラムを利用するのも良いでしょう。同プログラムは、Amazon Vineに登録されているメンバーに商品を提供してレビューを書いてもらう仕組みです。
販売数を伸ばすと結果的にレビューも増えるため、クーポンを使用したりAmazonのセールへ参加したりして、販売数を伸ばすことも有効な施策の1つです。
AmazonのSEO対策でよくある失敗とその対策
AmazonでSEO対策をする際にありがちな失敗は、主に以下の4つです。
- キーワードを不自然に詰め込んでしまった
- キーワードの選定方法が間違っていた
- 商品タイトルが適切でなかった
- 間違ったレビュー・評価の集め方でアカウントが停止されてしまった
キーワードを不自然に詰め込んでしまった
よくある失敗例の1つ目は、検索キーワードを不自然に詰め込んでしまうケースです。
不自然な文章になることで検索エンジンに正しく評価されないだけでなく、ペナルティを受けてしまうおそれがあります。また、ユーザーが読みにくくなったことによって、ユーザーのクリック率が下がったり、不信感を与えてしまって購入をためらわれてしまったりするリスクもあります。
そのため、自然な文章になるようにキーワードをバランス良く入れることが大切です。基本的には重要度の高いキーワードを左側に入れると良いとされていますが、不自然になってしまう場合は、語順を入れ替えて対応することも必要です。
キーワードの選定方法が間違っていた
よくある失敗例の2つ目は、使用するキーワードの選び方が間違っているケースです。
販売者や生産者目線で考えたキーワードとユーザーが検索するキーワードが一致するとは限りません。そのため、誤ったキーワードの選定方法をしてしまうと、SEOとしての効果が出にくくなってしまいます。
Amazonの検索欄にメインのキーワードを入れると関連するキーワードが表示されるオートコンプリート（サジェスト）機能を参考にすると良いでしょう。また、自社の商品ページのうち上位表示されているページを分析して、有効と思われるキーワードを見つけることも有効です。
キーワードを探す際は、競争率の低いキーワードを選ぶこともポイントです。競争率が高いキーワードは上位表示が難しいので、あえて競争率の低いキーワードを選ぶことで上位表示しやすくなります。
競争率の低いキーワード（ロングテールキーワード）を選定する際は「このキーワードで検索しているユーザーが自社商品を知れば必ず興味を持つ」と思えるようなキーワードを選ぶように意識すると効果的です。
商品タイトルが適切でなかった
商品タイトルを付けるときは、80文字以内を目安に、大事な情報を左から順に記載しましょう。
なぜなら、商品タイトルが長すぎるとスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で表示したときにタイトルが途中で切れてしまうからです。その結果として商品を求めているユーザーに届かないおそれがあります。
また、最安値などの強調や断定をする言葉や誇張表現を使ってしまうと、ガイドライン違反となり、ペナルティを受けてしまうこともあるので注意しましょう。
間違ったレビュー・評価の集め方でアカウントが停止されてしまった
Amazonでレビューを集める際は、ガイドラインに違反しないように注意しましょう。例えばAmazonでは、レビューを書いてもらう代わりに特典を付与することが禁止されています。
ガイドラインや規約で禁止されている方法でレビューや高評価を集めるとペナルティを受けてしまったり、アカウントが停止されてしまったりするおそれがあります。レビュー施策をする際は、必ずガイドラインや規約を確認し、問題がないことを確認してから実施しましょう。
AmazonのSEO対策をする際のポイント
AmazonでSEO対策をする際のポイントを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- トレンドに合わせたキーワード設定をする
- 競合商品をリサーチして差別化する
- データを分析して改善を繰り返す
トレンドに合わせたキーワード設定をする
AmazonでSEO対策をする際は、季節のイベントなどのトレンドに合わせたキーワードを意識することもポイントです。
例えば、1月なら福袋や新年会、成人式、2月なら節分、バレンタインデーなどのキーワードが考えられます。自社商品の中に季節のイベントに合わせられるものがないかを分析して、不自然にならないように商品の説明文にキーワードとしてちりばめましょう。
競合商品をリサーチして差別化する
競合他社がSEO対策に使用しているキーワードを調査・分析をして、差別化をすることもSEO対策として効果的です。
競合の商品ページを調査して同じキーワードを入れる手法も有効ですが、それだけではさらに上に表示することはできません。ユーザーが検索に使うキーワードのうち、競合が使用していないキーワードをいくつか記載して差別化し、定期的に効果を見ながら変えていき最適なものを選ぶことがポイントです。
データを分析して改善を繰り返す
SEO対策は継続的に続けていくことが一番大切です。検索エンジンのアルゴリズムは日々変わりますし、競合も次の対策をしてきます。
そのため、Amazonセラーセントラルのビジネスレポートを参考にしてSEO対策の効果を常に測定し、定期的に分析をしながら修正や改善を続けていく必要があります。SEO効果を測定するには、以下の指標に注目すると良いでしょう。
セッション：商品ページにユーザーが訪問した数
ユニットセッション率：商品ページを閲覧した購入者数に対して、購入された商品のユニット数の割合
ページビュー：商品ページが閲覧された回数（同じユーザーが複数回閲覧した場合も含む）
まとめ：AmazonのSEO対策を正しく理解して売上アップを目指しましょう
Amazon SEO対策を適切に行うことで、検索順位を向上させられ、結果として売上の増加も見込めます。
AmazonのSEO対策では、適切なキーワード選定、商品タイトル・説明文の最適化、画像や動画の工夫、レビューの獲得が重要です。また、トレンドを意識したキーワードの設定や競合との差別化、データ分析を通じた継続的な改善も欠かせません。
SEO対策は一度実施すれば終わりではなく、継続的な見直しが求められます。改善と効果測定を繰り返して効果的な手法を見つけながら、Amazonでの売上を最大化しましょう。
